ドラフト候補

【プロ注目選手】 大学生No.1左腕 筑波大・佐藤 隼輔とは!?

佐藤隼輔 筑波大学




こんにちは!一般ぱんだです!

9月に入り、様々な連盟で秋の大学野球のリーグ戦が始まりました。

この秋のリーグは、10月に行われるNPBのドラフト会議前最後のアピールの場ということで、ドラフト候補の選手たちはより一層、気合を入れて臨みます。

そこで今回は、大学生ドラフト候補の佐藤 隼輔(筑波大)について、解説していこうと思います!


佐藤 隼輔 プロフィール

ではまず、佐藤 隼輔についての簡単なプロフィールから紹介していきます。

プロフィール

名前:佐藤 隼輔(さとう しゅんすけ)

出身地:宮城県

ポジション:投手

身長・体重:181cm・83kg

投打:左・左

経歴:愛子スポーツ少年団(宮城県仙台市・小4~)ー折立スパローズ(リトルリーグ・小6秋~中1夏)ー仙台市立広瀬中(軟式)ー仙台市立仙台高ー筑波大(首都大学野球連盟)

日本代表歴:第43回日米大学野球(2019年・2年時)

佐藤隼輔

中学~高校

中学1年時にリトルリーグの折立スパローズで全国優勝を経験し広瀬中の軟式野球部では宮城県選抜に選ばれ、東北大会準優勝を経験し、強豪私学からの誘いがもちろんありましたが、公立の仙台高校に進学しました。

強豪私学に進学しなかった理由

ちなみに、佐藤が強豪私学に進学しなかったのは、意外な理由があります。

よくある「公立で強いチームを倒したい」という理由ではありません。

実は中学時代の佐藤には、「人の家のご飯が食べられない」という事情がありました。

小学生の頃から人の家でご飯が食べられず、喉を通らなかったそうです。遠征や合宿での食事も、「人の家のご飯」という感覚になってしまし、食べられなかったそうです。

強豪校での寮生活となると、毎日が寮でのご飯。佐藤にとっては、「人の家のご飯」という感覚になってしまうので、自宅から通える高校にしたそうです。

仙台高と今夏の県大会で決勝まで進んだ県立仙台三高と悩んだそうですが、中学時代のメンバーと一緒にやろうと話し合って、仙台高に決めたそうです。

ちなみに、後に進学した筑波大寮生活でしたが、食事の問題は起こらずに食べられたそうです。良かったです!

高校~大学

仙台高に進学した佐藤は、1年夏の県大会から背番号18を背負い、1回戦・宮城広瀬戦で公式戦初登板を果たし、9回10安打9奪三振、3失点の好投で初完投初勝利を手にしました!

仙台イケメン1年佐藤3失点完投、東北一番星/宮城 – 高校野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

その後、順調にキャリアを積み、3年春の県中部地区予選準々決勝・仙台育英戦では、0-2で敗れたものの、8回7安打2失点の好投を見せ、最速143kmの威力あるストレートとキレのあるスライダー9奪三振を奪いました!

【仙台高校】宮城の公立校に現れた143キロ左腕・佐藤隼輔 | Timely! WEB (timely-web.jp)

仙台育英との再戦となった春の県大会2回戦では、7回11安打7失点でしたが、最速144kmを記録し、夏の県大会初戦・名取北戦では、9回5安打18奪三振、完封勝利をおさめ、この試合は、10球団のプロスカウトが視察に訪れました。

高校時代もプロから注目された逸材でしたが、大学進学を決め、セカンドキャリアのことも考えて、国立大筑波大学(首都大学野球連盟)を選択しました!この時点で、佐藤ドラフト1位でプロに行くことを決めたそうです!

大学~現在

筑波大に進学した佐藤は、1年秋に初登板を果たし、そこから2年春にかけて44回2/3連続無失点。川村 卓監督の方針もあり、1年時は70~80球をメドに交代していました。

そして、2年春のリーグ戦後には、日米大学野球の日本代表に選出され選考合宿では最速150kmをマーク本戦では、中継ぎで5試合に登板し、防御率0.00。日本代表に大きく貢献しました!

ここまで経験したリーグ戦5度のうち3度の防御率0点台を記録し、筑波大の絶対的エースの佐藤ですが、未だに「リーグ優勝」を経験したことがありません。

9月3日にプロ志望届を出した佐藤。自らのピッチングで、筑波大を15年ぶりのリーグ優勝に導きドラフト1位指名を勝ち取りたいところです!

佐藤隼輔


投球スタイル

次に、佐藤 隼輔の投球スタイルを紹介していこうと思います。

投手としてのプロフィール

始めに、投手としてのプロフィールを簡単に紹介していきます。

投手としてのプロフィール

・利き腕…左投げ

・球種…ストレート最速151km、常時140km中盤)、スライダーチェンジアップ

・フォーム…オーバースロー

・先発orリリーフ…先発タイプ

貴重な先発型サウスポー。変化球はスライダー、チェンジアップと球種はそこまで多くはないですが、ストレートも含めキレがあり、三振を奪うことが出来ます!

力感のない綺麗なフォーム

佐藤を語る上で欠かせないのが、投球フォームです!

まずはこの写真をご覧ください。

佐藤隼輔

これは、右足を上げて軸足で立っている時の姿勢ですが、しっかり軸足で体を支えており、とても綺麗です!

佐藤自身、左足の内転筋(太ももの内側の筋肉)で体を支えるように投げ、コントロールを定めているようです。

次に、腕を振る時の写真も見てみましょう。

佐藤隼輔

まず、ボールが体の後ろに隠れているので、打者からはボールの出どころが見づらくなります。

佐藤隼輔 佐藤隼輔

写真からはわかりづらいですが、力強く腕を振るというよりは、力感が無く、丁寧に投げ下ろしています。

というより、本人曰く腕の振りは意識していないそうです。

この後解説する制球の良さの秘訣は、軸足で立った時に体をしっかりと支えることができる下半身にありそうです!


インコース攻め

佐藤の特徴の一つに、キレのあるストレートとスライダーを武器にしたインコース攻めがあります。

ピッチャーにとってインコースに投げるには、制球力が求められます。

一つ制球を間違えれば、バッターに当たりデッドボールになってしまいますし、または内角に投げ切れずに甘い球になって長打を打たれるなど、インコース攻めはバッターを打ち取りやすいですが、一歩間違えればピンチを広げるリスクもあり、ハイリスクハイリターンの攻め方です。

しかし、佐藤にとってインコース攻めを苦にせず、特に、右打者へのインコース攻めは自分の生命線だと考えています。

基本的に、右打者にとって、左投手の方が変化球の軌道が見やすかったり、外に逃げていく変化球が少なかったりするので、打ちやすいです。(右打者にとって、左投手のど真ん中のカーブはとても軌道が見やすく当てやすいです)

そこで、体の方向にえぐってくるインコース攻めが効果的なのですが、前述した通り、制球が利かなかったり、変化球が曲がり切らなかったりすると、真ん中に入ってしまい、打たれるリスクがあります。(なので、捕手も制球が定まっていない投手に対してインコースは要求しづらくなり、外角一辺倒のリードになりがちです)

ですが、佐藤はインコース攻めに求められる制球力とキレのあるストレート、内角に鋭利にえぐってくるスライダーを武器にし、右打者のインコースにズバズバと突いてきます!(これが俗に言う「インズバ」です)

さらに、下級生までは苦手だった左打者へのインコース攻めも上級生になってからは苦手とせずに投げられるようになり、投球の幅が広がりました!

インコース攻めは、例えストライクにならず打者をのけぞらせるだけでも、打者は外角に手が出やすくなります。

プロに行っても、強打者に対して物怖じせずにインコース攻めが出来れば、1年目からでも十分活躍出来ると思います!

ここまで写真を交えながら、投球スタイルを解説していきましたが、正直写真や文面だけでは伝わりづらい部分もあると思います。

動画で投球フォームを確認したい方は、以下の動画もご覧ください。




スカウトの声

では、スカウトの声も紹介していきます。

スカウトの声①(ヤクルト)

実は、今回私が撮影し掲載した写真も、上の動画も5月22日に行われた筑波大vs帝京大の時のものです。

この試合は、この日3試合行われるうちの2試合目だったのですが、1試合目が終わった後、バックネット裏にスーツを着た大人たちがぞろぞろと増えてきました。

その様子を見ていると、東京ヤクルトスワローズ小川 淳司GM(元監督)の姿がありました。

この時は、小川氏かどうか確信が持てなかったのですが、この日のネットニュースで小川氏佐藤についてコメントを残していたので、本当に視察しに来ていたのだと確信を持ちました。

その、小川氏のコメントがこちらです。

ボクは初めて見たけど、9回にも146キロを計測するなど、力はある

引用:スポニチ 首都大学リーグ ドラフト上位候補の筑波大・佐藤隼は12奪三振、2失点完投も実らず― スポニチ Sponichi Annex 野球

まず、チーム編成を統括しているGM(ゼネラルマネージャー)が直々に視察に訪れるということで、ヤクルトとしては佐藤を上位指名候補として力を注いでいるのではないかと思います。

この日の佐藤は、9回2安打12奪三振、2失点と好投。(ただし、1-2で敗戦投手)

このコメントを見る限りだと、9回にも146kmを計測し、力があることを評価しており、先発投手としての素質も評価しているのではないかと思います。

スカウトの声②(阪神)

もう一つスカウトの声を紹介します。

4月24日の桜美林大戦を視察した阪神タイガース和田 豊テイクニカルアドバイザー(元監督)のコメントです。

マウンドで落ち着いている。得点圏に走者を置いてもバタバタせず、ギアを上げることができる。同じ球種でも強弱をつけることができ、内・外に投げ分ける制球力もある

体の後ろにボールが隠れるので、打者からボールの出どころが見えづらいのではないか

引用:スポニチ 阪神・和田豊TAも太鼓判、筑波大エース佐藤隼輔は敗戦も変わらぬ高評価― スポニチ Sponichi Annex 野球

前述した制球力とフォームだけでなく、マウンドさばき等も評価しています。

編成に関わっている和田氏が高く評価しているということで、阪神としても指名候補として間違いなくリストアップしていると思います。


どこが指名する?

ここで、気になるのはどこの球団が指名するか。(個人の主観の話になってしまうことを先に申し上げます)

上層部の視察(ヤクルト)

個人的に、指名の可能性が高いのではないかというのは、ヤクルトだと思います。

前述した通り、5月には小川GMが視察したのに加え、4月には伊東 昭光編成部長も視察に訪れるなど、チーム編成の上層部が佐藤の投球を直接視察しました。

ヤクルトの佐藤に対する本気度が高い証拠なのではないかと思います。

9月5日現在のヤクルトの先発ローテーションに入っている左腕は、田口 麗人石川 雅規髙橋 奎二3人リリーフ待機している左腕は、坂本 光士郎1人だけです。

現に1軍登録されている中継ぎ左腕が1人だけというのはもちろん少ないですし、石川さんも41歳の大ベテランということで、左腕投手はヤクルトの補強ポイントであると思います。

即戦力にもなり得る大卒の佐藤は、ヤクルトの補強ポイントとマッチしているのではないかと思います!

しかし、ヤクルトにも寺島 成輝山野 太一久保 拓眞、そして、長谷川 宙輝といった伸びしろが大きい若手左腕が多くいます。

長谷川宙輝長谷川 宙輝 最速154kmの速球が持ち味

佐藤を獲得することにより投手陣を厚くすることも、もちろんですが、若手左腕の育成も引き続き行ってほしいと思います!


仙台っ子(楽天)

もう一つ、指名の可能性が高い球団は、東北楽天ゴールデンイーグルスではないかと思います。

楽天も、3月9日に茨城県岩下球場で行われた東洋大とのオープン戦に、後関 昌彦カウト部長が視察に訪れています。

その時に「仙台の子だからね。」というコメントを残しています。

引用:スポニチ 筑波大の佐藤隼輔が148キロで5回0封5K―11球団スカウトに猛アピール、「間違いなく上位候補」― スポニチ Sponichi Annex 野球

佐藤は、小学校から高校まで仙台、まさに楽天のお膝元で育ちました。

楽天に入団したら、地元・仙台のファンから愛される存在になるのではないかと思います!

9月5日現在、楽天の先発ローテーションに入っている左腕は、昨年のドラフトで1位指名した早川 隆久1人だけです。さらに、リリーフ待機している左腕は、なんと0人でした。(抑えの松井 裕樹は怪我のため抹消)

ヤクルト同様、もしくはそれ以上に左腕が不足している楽天。

左腕の投手陣を厚くするため且つ、仙台っ子として地元から愛されるスターを誕生させるためにも、佐藤を指名するメリットは十分あると思います!

指名する可能性のある球団まとめ

ヤクルト…チーム編成上層部二人の視察。即戦力左腕投手が補強のポイント。ただし、寺島や長谷川などの若手左腕も多く在籍。

楽天…佐藤自身が仙台育ち。楽天も左腕投手不足。左腕補強と地元スター誕生という意味でも獲得するメリット十分あり。



まとめ

ここまで、ドラフト1位候補の筑波大・佐藤 隼輔について解説していきました。

まとめ

非常に綺麗なフォームから繰り出される最速151kmのストレート鋭利に曲がるスライダー制球力もありインコースにも難なく投げることが出来る。

・ほぼ全球団のスカウトが視察に訪れており、特に左腕投手の駒が不足しているヤクルトは上層部も視察に訪れており、指名する可能性は十分高い。

楽天左腕投手の駒が不足している且つ、佐藤自身が高校まで仙台で育ったということもあり、地元のスターを誕生させるという意味でも、指名するメリットは十分あり。

また、即戦力左腕は毎年需要があるので、ヤクルトや楽天以外にも佐藤を指名する可能性のある球団は十分あると思います。(逆に、ヤクルトや楽天が指名しない可能性もありますし。)

9月11日(土)から開幕する首都大学野球1部リーグ佐藤が所属している筑波大学の初戦の相手は、東海大学

佐藤自身、リーグ優勝を経験していないどころか、最優秀投手やベスト9にも選出されたことがまだありません。

個人表彰にふさわしい活躍をし、悲願のリーグ優勝を果たし、ドラフト1位指名を勝ち取ってほしいです!

佐藤隼輔


参考文献紹介

別冊 野球太郎 2021春 ドラフト候補最新ランキング

発行人:成澤浩一 発行:イマジニア株式会社ナックルボールスタジアム 2021年4月14日発行

佐藤 隼輔を始めとした今年のドラフト候補選手について、特徴ごとにランキング化されており、読みやすい内容になっております。また、佐藤はもちろん、注目選手へのインタビューもあり、選手からしか聞けない情報など、非常に面白い情報が多く詰まってます。

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大学野球No.1左腕!佐藤隼輔の綺麗なフォーム【みんなのドラフト】(YouTube)

チャンネル:ベースボールキング 2020年11月13日公開

全国各地のアマチュア野球を視察している野球ライター・西尾典文氏が、映像を交えながら佐藤の特徴について解説しています。MCの谷川 愛梨さんとの掛け合いでの解説なため、飽きることなく内容が入ってきやすいです。

 

今日はこの辺で失礼しますm(__)m